『すずめの戸締まり』九州に住む高校生・鈴芽(すずめ)が出会ったのは大学生草太。
草太は日本各地に点在する災厄の扉を閉めるために旅を続ける「閉じ師」でもあった。
災厄を封じ込める扉の要石がネコとなり逃げ出し、追いかける草太とすずめの日本各地を巡る旅が始まった。
いきなり映画のクライマックスの話になっちゃって恐縮なのだけれど、すずめがある人物に、全身全霊で思いの丈を語りかけるシーンがある。
この告白が新海監督がこの映画を通して語りたかった全てであり、この告白のためにこの壮大なファンタジーが紡ぎ出された。
大厄災の被災者の口から出る言葉として綺麗にまとまりすぎという意見もあるかもしれないが、被災者以外からもし語られるのならばそれこそ反感を買ったかもしれない。
こんな議論を呼ぶことは百も承知でいながら、それでも監督はこの映画を作らずにはいられなかったのだろう。
被災者の負った心の傷をどう癒していくのか、癒されることなど一生ないのか。
そればかりは一人一人で異なり、正解などない。
すずめの人生には、かわいそうがる人、心を開いてほしい人、見守ってくれる人、心を寄せてくれる人、話しかけてくる人、身の上を聞かずとも助けてくれようとする人、身代わりになりたいと思える人、身代わりになろうとしてくれる人が代わる代わる現れる。
この映画を観て、監督の想いを受けとめる被災者の方々が少しでも多くいらっしゃることを祈りたい。
AI先生が描いた「はばたくスズメ」。I created this art by AI Piccaso #aipicasso