参上ルルのブログ

映画を観て思ったことを徒然と。

令和なら鬼太郎だって萌える

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』原作者である水木しげるの生誕100年記念作品。戦後の高度経済成長の萌芽が見える昭和31年。日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族の地元の村で、龍賀家当主の葬式が行われることになった。取引先のサラリーマンである水木は、野心を抱え村に弔問に訪れた。また時を同じくして妻を探す鬼太郎の父も村に辿り着き、二人は出会った。

 

鬼太郎meets八つ墓村

正確には、鬼太郎の世界を八つ墓村に持っていったというとこ?

鬼太郎自身はメインの物語には出てこないし。

ということで、タイトルは『ゲゲゲの鬼太郎 〜X○△〜』ではない。

聞くところによると、子ども向けではなく、完全大人向けというところと腐女子にリピーター続出で大ヒット中らしい。

「あの鬼太郎が?いま?」という好奇心で鑑賞へ。

 

わたしの中の鬼太郎といえば、小学生の時に見たおどろおどろしい墓場から始まる「ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ〜」。

たぶんわたしが田舎で見ていたものは、新作ではなくて初期シリーズの再放送だったように思う。

子どもの目から見ても、その頃に見てた他のアニメと比べると古めかしく画質も暗くかった(あの『妖怪人間ベム』ほどではないにしろ)。

あのオープニングが始まると、暗い洞窟の中に入っていくようでヒヤヒヤドキドキの気持ちになったものだ。

生真面目な目玉の親父、エキセントリック猫娘や「どうしようもな」なネズミ男たちとのチームと、怖し哀しの妖怪たちとの丁々発止なやりとりが好きだったなあ。

昭和の名作『ゲゲゲの鬼太郎』は、わたしの視界から離れていった後もテレビシリーズ化を重ね、第6シリーズまで制作されて平成も無事完走、令和に突入したようだ。

最近のテレビシリーズのものを見てみると…氷川きよしがゲゲゲを歌ってる!

髪の毛針は健在だが、青いきれいな空のもと戦隊モノよろしくめっちゃジャンプ!からの回転してえの空中必殺発射!など、アクションバリバリでバトルしてたりする。

す、すごい…。

鬼太郎もアクティブになったものよのお(遠い目)。

 

そんな『鬼太郎』ご無沙汰( ˊ̱˂˃ˋ̱ )なわたしだったが、今回の映画ではさらにびっくり。

昭和レトロを通り越して昭和再発見!な感じで、昭和ストーリーが新鮮なのだ。

地方の村の排他的な因習や呪縛、人間の妄執、戦争の傷跡、など、ヤングからすると一体どこの国の話?となるのではないか。

絵も昭和を彷彿とさせる?(わたしからすると懐かしい)暗さで、重厚なドラマをしっかりと支える世界観になっていた。

主役の一人である水木は、帰還兵なのだが、記憶の中の戦闘場面も没入感抜群でこちらの背筋がツツツと寒くなるほどだった。

キャラクターも、見た目昭和文豪の鬼太郎の父と、黒電話が似合いそうなワイシャツ袖捲りがデフォルトの水木。

キャラクターといえば、驚いたときの目の横で出るシワがどこかで見たことあるな、と思ったら、『シン・エヴァンゲリオン』のキャラクターデザイナーの人だった。

シリアス感ハンパない。

この二人のバディが、女子たちに受けているとの話もちょっと分かってしまった…。

 

ストーリーの終わりは、鬼太郎誕生というエモい仕掛けもあり、ヒットも納得、映画に大満足で会場を後にした。

そういえば、後ろの列に家族づれがいて幼稚園児くらいの男の子も。

開映前はキャッキャッ言ってたのだが、帰りは全く音がせず、存在を忘れたまま出てしまった。

トラウマになってなきゃいいけれど。

AI先生が描いた「日本の墓」のイラスト。This is created by #aipicasso