参上ルルのブログ

映画を観て思ったことを徒然と。

2023-01-01から1年間の記事一覧

ドキドキのスリラー…いや、コント?

『ドミノ』刑事ダニーは、数年前に娘を誘拐されて以来、精神的ダメージを負いカウンセリングにかかっている。現場復帰の事件は、銀行襲撃。遭遇した怪しげな男は、追ってきた刑事同士に撃ち合いをさせ、自分はビルの屋上から飛び降り───消えた。男が狙ってい…

ジェーン・フォー・エヴァー

『ジェーンとシャルロット』1991年に亡くなったセルジュ・ゲンズブール。フランスで一時代を築いた稀代の文化人(作曲家、作詞家、映画監督、歌手、俳優)の娘であるシャルロット・ゲンズブールが、初めて監督として母であるジェーン・バーキンを撮ったドキ…

福田村を忘れるな

『福田村事件』1923年関東大震災という未曾有の大震災が起きた数日後、千葉県の福田村で、たまたま村を訪れていた薬の行商団が村の自警団に襲われた。行商団は彼らにとって聞き慣れない讃岐弁を話していたため、朝鮮人に間違われて殺されたのだ…。これまで隠…

オレ様の名にかけて!

『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』ベネチアで隠遁生活を送っていたポアロは、旧知の女流作家からハロウィンの夜に行われる降霊会に誘われる。霊媒師のインチキを見破るために参加したポアロだが、恐ろしい方法で殺人が起こり、ポアロ自身も命を狙われること…

どん底の笑う門にこそ福来たれ

『波紋』平凡な主婦・依子は、夫が失踪して以来、新興宗教を心の拠り所とし、一人慎ましく生活していた。そんなある日、父の介護を押し付けて家族を捨てた夫がガンに罹患して帰宅。遠方に就職した息子は、障害のある彼女を結婚相手として伴って帰省。パート…

十二分に、お分かりいただけました

『劇場版ほんとにあった!呪いのビデオ100』MAスタジオで『ほんとにあった!呪いのビデオ96』でナレーション収録をしていた『ほん呪』元演出の中村義洋。収録予定の一本が、20年以上も前に自分が演出を担当していた時に投稿されていた映像と同じであることに…

バービーとリカちゃんは別物

『バービー』完璧な夢の国「バービーランド」にハッピーに暮らしていた“定番“バービーに、ある日異変が。太ももに脂肪のセルライト!?完璧をとり戻すために、“定番“ケンとともに人間世界に乗り込むが─── 全米で2023年に公開された映画の中でトップとなるロ…

グロリアは猫が好き

『グロリア』1980年アメリカ映画。下高井戸シネマでの特集上映「ジョン・カサヴェテスxジョナサン・デミ」の中の一本。家族をギャングに殺された少年を託されたグロリア。犯罪組織を相手に女一人立ち向かう。 東京に、ボコボコとミニシアターがあった頃。 い…

美少年に殺される

『CLOSE/クロース』ベルギー/フランス/オランダ合作映画。13歳になるレオとレミは、遊ぶのも食べるのも寝るのも一緒。家も近く、互いの両親も公認の大親友だ。中学に上がり、同じクラスになった二人は、これまでとは違う周囲からの視線に戸惑いを隠せない。 …

アレはPR映像だけのためだったΣ('◉⌓◉’)

『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』トム・クルーズ主演の「ミッション:インポッシブル」シリーズ7作目。耳慣れない「デッドレコニング」とは、航海用語で「推測航法」という意味だそう。起点、航行した距離や偏流などから現在位置を…

僕たちはどう観るのか

『君たちはどう生きるか』宮﨑駿の10年ぶり監督作。宮崎監督が感銘を受けた1937年刊行の吉野源三郎の同名小説よりタイトルを借用。内容は、完全オリジナルの長編アニメーション。 映画を観てから5日が経過した。 バラバラだった感想も少しは形作られることを…

人ってのは、悪いことをしながら善いことをするもんさ

『仕掛け人・藤枝梅安』第一作。時代小説家・池波正太郎の3大シリーズの一つ。主人公の梅安は、江戸で評判の鍼医をしながら裏では殺し屋の顔を持つ。元締めから金をもらいつつも、世のため人のためにならない悪を人知れず葬るダークヒーローが見参! デスク…

男はつらいよ

『イニシェリン島の精霊』1923年、本土では内戦が続くアイルランドの小さな島で、一つの男の友情が壊れようとしていた。のどかな田舎町で描かれる中年男の困惑と悲哀。 主人公を演じるコリン・ファレルがひたすら困っている。ずーっと八の字眉。 そらそうで…

嵐も起こす田中裕子のひとこと

『怪物』大きな湖を取り囲むある地方都市。シングルマザーの早織は、一人息子・湊の最近の異変に気づく。口が重い湊が言うには、担任から体罰を受けているらしい。早織は、話し合うために学校に向かう───。 是枝裕和監督の最新作。日本公開に先立ち出品され…

さぁ、行こう!←ハァ、尊い

『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』2023年3月に行われたWBC。侍たちの世界一への挑戦の記録。 2023年も早いもので既に折り返し地点。 相変わらず、今年も変わり映えしないよなあ、なんて前半を振り返ったときに、わたしのおこもりライフを一番熱くしてく…

誰かいい人は…いるんですけど!

『エゴイスト』コラムニスト高山真の自伝的小説の映画化。 主人公と同性の恋人、そして恋人の母親の3人が織りなす物語。 濃いブルーのシーツの上に裸で抱き合う鈴木亮平と宮沢氷魚。 ポスターの美しさと漂う背徳感に惹かれて、Youtubeで本予告を何度も何度も…

観たらみんなで ♪タリラリラ〜(ヒント:口笛)

『モリコーネ 映画が恋した音楽家』2020年に逝去した映画音楽のイタリアの巨匠、エンニオ・モリコーネ。 生涯500以上の作品を遺した天才作曲家の最期の5年間に密着した映像と、仕事仲間や彼の音楽を愛する多数の著名人のインタビュー映像で綴ったドキュメン…

はい、それまでよ

『フェイブルマンズ』監督であるスティーブン・スピルバーグの自伝的映画。 恐る恐る初めて映画館を訪れて以来、映画作りに夢中になった少年サム・フェイブルマンズ。 敬愛する両親の揺れ動く関係に悩みながらも、映画を撮ることを糧に成長する姿を描く。 映…

主役二人が対峙したときの鼻の高さといったら

『ロストケア』介護士でありながら、42人を殺めた殺人犯と彼を裁こうとする検事の互いの正義を賭けた緊迫のバトル。 苦しむ家族と本人のためにとの己の信念で犯行を重ねた犯人・斯波(松山ケンイチ)を、法の名の下に検事・大友(長澤まさみ)は裁ききること…

狩っちゃダメ、絶対

『AIR/エア』1984年の発売以降、一大ブームを巻き起こしたバッシュ “エア・ジョーダン“。 開発・発売を担ったナイキ社の、マイケル・ジョーダンとの独占契約を獲得するまでの舞台裏を描く。 ベン・アフレック監督、マット・デイモン主演。 ベンアフ監督も組…

奇跡は訪れるのか、つくり出されるのか

『アレクセイと泉』ポレポレ東中野で <37年目のチェルノブイリ>と題した特集上映中。 日本人の本橋成一監督のドキュメンタリー『アレクセイと泉』(2002年)を鑑賞した。 坂本龍一が音楽を担当している。 チェルノブイリ原発事故から15年後。 チェルノブイ…

異業種交流

『あちらにいる鬼』作家・井上光晴と瀬戸内寂聴、そして井上の妻との三角関係をモデルに、井上の娘・井上荒野が上梓した小説を映画化した。 最近(か?)、生活にとんとセクスィーが足りないと思いたち、『あちらにいる鬼』を鑑賞に。 寺島しのぶが主演で相…

若さじゃない。いぶし銀にて光り輝く

『生きる LIVING』黒澤明の『生きる』(1952)を第二次世界大戦後のイギリスに設定を変えリメイク。 ノーベル賞作家のカズオ・イシグロの脚本は驚くほどオリジナルから醸される情調を再現した。 黒澤の『生きる』は敗戦後の日本が舞台だったが、今回の『生き…

考えるな、感じろ

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』──通称『エブエブ』。 中国を出てアメリカに渡りコインランドリーを生業として、何十年と頑張ってきたエヴリンとその家族。 父の介護に娘の反抗、そして税務署からの呼び出しと今日も気の休まること…

愛は言葉を超える…のか

『別れる決心』第75回カンヌ国際映画祭監督賞受賞作品。 真面目な刑事と美しい容疑者は一つ目の殺人で出会い、別れ、そして二つ目の殺人で再会する 観終わった後に、ポスターのビジュアルが全てだったか!と感心し、余韻に浸ってポスターを見返したら、あれ…

あなた 目を覚まして

『ケイコ 目を澄ませて』生まれつきの聴覚障害者であるケイコは、下町にある小さなボクシングジムで日々トレーニングに励んでいる。 ボクシングに邁進できない心の澱を感じていたとき、ボクシングジム閉鎖の噂が流れてきて─── 先日、発表された2022年度のキ…

すずめは羽ばたいた

『すずめの戸締まり』九州に住む高校生・鈴芽(すずめ)が出会ったのは大学生草太。 草太は日本各地に点在する災厄の扉を閉めるために旅を続ける「閉じ師」でもあった。 災厄を封じ込める扉の要石がネコとなり逃げ出し、追いかける草太とすずめの日本各地を…

あの頃も青春は密だった

『THE FIRST SLAM DUNK』1990年から1996年から『週刊少年ジャンプ』に連載された超人気漫画。 テレビアニメ化もされたが、今回の劇場版は声優を一新し内容も連動していない。 当時、『スラムダンク』は友達の弟がハマってたな、っていうくらいの門外漢。 で…

死んでもいいんだったら、100倍は生きていい

『PLAN75』高齢化が待ったなしの日本。 75歳以上に死ぬ権利を与える「PLAN75」が施行された。当事者、第三者、制度側、外国人労働者はどう思い、行動するのか。 見終わっての第一声は「高齢者の自殺を幇助するってどんな国やねん!」 小学校で習った基本的人…

いよ、待ってました海賊王!

『ONE PIECE FILM RED』 2022年8月6日に公開され、2023年1月10日時点で興行収入190億円を突破したテレビアニメ『ワンピース』劇場版15作目。 『ワンピース』は、コミックス1巻で挫折。 国内で極々フツ───に生活をする中で「海賊王」「ゴム人間」「麦わらの一…