参上ルルのブログ

映画を観て思ったことを徒然と。

シン・サラリーマン

『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』何度も繰り返す10月23日週。

小さい職場を舞台に、気づいた者からその週のクリアの仕方がどんどんバージョンアップしていく。

ただし、部長がタイムループを認めないことには、永遠に抜けられない。

イムループの原因は「呪い」か「心残り」と分析するが、さて永久部長(マキタスポーツ)の場合はーーー。

 

舞台は小さい広告代理店の制作部隊。

クライアントに毎週毎週キリキリに追い詰められながら、味噌汁炭酸タブレットの企画案を無限に考えていく。

残業に泊まり込みしかない一週間。

これで今どきの労基に訴えれられないのか、というほどの職場なのだけれど、クリエイターとか特定の業種は時代が変わってもずっとこのスタイルなんだろうな。

ホワイト化への流れに乗った会社に勤める身としては、すこうしだけその熱量が羨ましかったりなかったり。

 

そして、この職場で変わらない象徴として君臨するのがマキタスポーツ部長(タイムループとはまた別の意味で)。

月曜朝イチに、もう身体と一体化してるんじゃないかと思われるほどのスーツに漫画雑誌を小脇に抱えて出社。

その辺りにゴロゴロしてる部下たちに「おはよう!何?また徹夜?わっかいね〜」の大声爽やか挨拶。

部下より先に帰宅する際には、申し訳なさをいっぱいに振りまいての退社。

マキタスポーツ部長は、役職とは別に存在するリーマンベテランランキングのエキスパート段に属すると言えよう。

私が社会人になった時も同じ生活様式の有段者はいたし、今も人は違えどそのランカーが擬態する姿は一緒だ。

電話を切る際の決まり文句「よろしくどうぞ〜」は、そのランカーの証。

社会人になって、お局と呼ばれて長い私でも、最後は「よろしくお願いします」だ。

この言葉を使いこなすには、存在感、キャラが社内外に十二分に浸透していなければ繰り出せない。

かつ、初対面の相手に発する場合は、にべもなくキャラを認識させるマウント術として効果をなす。

マキタスポーツ部長がすごかったのはこのアレンジ力。

「よろしくどうぞ〜>どうぞ〜>どうぞ〜(「どうぞ〜」は徐々に弱く消えていくエコーのように自分で言う」)」

言葉の聞き手側が余韻に感じるドップラー効果を自分で言っていた!

エキスパートサラリーマンの真の実力は、「しようがないな」と思われながらも周りから愛されるところに集約される。

物語の最後に向けて、部下たちが部長への愛の元に一致団結するのは必然なのだ。

AI先生が描いた「日本のサラリーマン」I created art by AI Picasso #aipicasso