『CLOSE/クロース』ベルギー/フランス/オランダ合作映画。13歳になるレオとレミは、遊ぶのも食べるのも寝るのも一緒。家も近く、互いの両親も公認の大親友だ。中学に上がり、同じクラスになった二人は、これまでとは違う周囲からの視線に戸惑いを隠せない。
今年のカンヌ映画祭で是枝裕和監督の『怪物』が現地で話題になった際に、前年にグランプリを撮った『CLOSE/クロース』をよく引き合いに出されて評されたという記事を読んだ。
どちらも10歳ちょっとの男の子二人の関係性を描いている。
ショタを密かに自認する身としては、順番は逆になったけれど『怪物』に続いて本作も楽しみにしていた。
結果。こちらの少年二人も良い!実に良い!
日本代表も負けてはいなかったけれど、こちらも負けず劣らずの美少年っぷり。
そして、ナチュラルすぎる演技。
「自然の中で無邪気に戯れる少年たち」という図は、古今東西のおじさん&おばさんを惹きつけてやまぬのですなあ。
二人の関係性も、表面的には似ているのだけれど、四人四様の性格の違いがあるので、結果的にそれぞれのペアも特色が出た。
一番の違いは、『怪物』の少年のうちの一人は、年は少年なのに過酷な環境に置かれたせいで、既に諦念をもち時に少年らしさを演じていることだ。
本作の方は、少年二人とも観てる方が安心するくらいの天真爛漫な年相応の子ども。
そこが、年齢の設定は1〜2歳くらい本作の方が年上なのに、『怪物』ボーイズよりも幼い印象を与える理由だろう。
特にレオ。
二人の仲良しっぷりを周りから冷やかされて、つっけんどんにレミを遠ざけてフォローも何も無い様は、いかにもありがちで、否応なしに自分自身がイヤな子どもだった頃を思い出させた。
小3のクラス替え。2年生まで仲良しだったナオちゃんとクラスが分かれて、しばらくは同じクラスに友達もできず変わらず放課後には2人で遊んでいた我々。
先にクラスに遊び仲間ができたのはわたしで、ナオちゃんがこちらを見ているのを承知で、というかわざと見せつけるように新しい友達と遊びに行ったりした。
わたしはレオだ…。
そんなわたしはレオが取り返しのつかないことをしてしまってからは、ずっとバチあたれ、と思いながら観ていた。
レオは、あまりの事の大きさにどうして良いか分からず、とりあえずは自分がしたことを周りに気づかれないことだけに心を砕いて生活を送る。
平然と自分は関係ない、自分は平気、と。
しかし、やんぬるかな、所詮は子ども。
おねしょをするようになり、兄の寝床に潜り込まないと寝れなくなる。
意地悪目線で観ていたわたしも、最後にはレオと一緒に心が痛くなった。
あの頃のわたしも、悔いていたのかもしれない。
うん、覚えてないけれどそうであれ。
AI先生が描いた「美少年のイラスト」I created this art by #aipicasso