参上ルルのブログ

映画を観て思ったことを徒然と。

嵐も起こす田中裕子のひとこと

『怪物』大きな湖を取り囲むある地方都市。シングルマザーの早織は、一人息子・湊の最近の異変に気づく。口が重い湊が言うには、担任から体罰を受けているらしい。早織は、話し合うために学校に向かう───。 是枝裕和監督の最新作。日本公開に先立ち出品され…

さぁ、行こう!←ハァ、尊い

『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』2023年3月に行われたWBC。侍たちの世界一への挑戦の記録。 2023年も早いもので既に折り返し地点。 相変わらず、今年も変わり映えしないよなあ、なんて前半を振り返ったときに、わたしのおこもりライフを一番熱くしてく…

誰かいい人は…いるんですけど!

『エゴイスト』コラムニスト高山真の自伝的小説の映画化。 主人公と同性の恋人、そして恋人の母親の3人が織りなす物語。 濃いブルーのシーツの上に裸で抱き合う鈴木亮平と宮沢氷魚。 ポスターの美しさと漂う背徳感に惹かれて、Youtubeで本予告を何度も何度も…

観たらみんなで ♪タリラリラ〜(ヒント:口笛)

『モリコーネ 映画が恋した音楽家』2020年に逝去した映画音楽のイタリアの巨匠、エンニオ・モリコーネ。 生涯500以上の作品を遺した天才作曲家の最期の5年間に密着した映像と、仕事仲間や彼の音楽を愛する多数の著名人のインタビュー映像で綴ったドキュメン…

はい、それまでよ

『フェイブルマンズ』監督であるスティーブン・スピルバーグの自伝的映画。 恐る恐る初めて映画館を訪れて以来、映画作りに夢中になった少年サム・フェイブルマンズ。 敬愛する両親の揺れ動く関係に悩みながらも、映画を撮ることを糧に成長する姿を描く。 映…

主役二人が対峙したときの鼻の高さといったら

『ロストケア』介護士でありながら、42人を殺めた殺人犯と彼を裁こうとする検事の互いの正義を賭けた緊迫のバトル。 苦しむ家族と本人のためにとの己の信念で犯行を重ねた犯人・斯波(松山ケンイチ)を、法の名の下に検事・大友(長澤まさみ)は裁ききること…

狩っちゃダメ、絶対

『AIR/エア』1984年の発売以降、一大ブームを巻き起こしたバッシュ “エア・ジョーダン“。 開発・発売を担ったナイキ社の、マイケル・ジョーダンとの独占契約を獲得するまでの舞台裏を描く。 ベン・アフレック監督、マット・デイモン主演。 ベンアフ監督も組…

奇跡は訪れるのか、つくり出されるのか

『アレクセイと泉』ポレポレ東中野で <37年目のチェルノブイリ>と題した特集上映中。 日本人の本橋成一監督のドキュメンタリー『アレクセイと泉』(2002年)を鑑賞した。 坂本龍一が音楽を担当している。 チェルノブイリ原発事故から15年後。 チェルノブイ…

異業種交流

『あちらにいる鬼』作家・井上光晴と瀬戸内寂聴、そして井上の妻との三角関係をモデルに、井上の娘・井上荒野が上梓した小説を映画化した。 最近(か?)、生活にとんとセクスィーが足りないと思いたち、『あちらにいる鬼』を鑑賞に。 寺島しのぶが主演で相…

若さじゃない。いぶし銀にて光り輝く

『生きる LIVING』黒澤明の『生きる』(1952)を第二次世界大戦後のイギリスに設定を変えリメイク。 ノーベル賞作家のカズオ・イシグロの脚本は驚くほどオリジナルから醸される情調を再現した。 黒澤の『生きる』は敗戦後の日本が舞台だったが、今回の『生き…

考えるな、感じろ

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』──通称『エブエブ』。 中国を出てアメリカに渡りコインランドリーを生業として、何十年と頑張ってきたエヴリンとその家族。 父の介護に娘の反抗、そして税務署からの呼び出しと今日も気の休まること…

愛は言葉を超える…のか

『別れる決心』第75回カンヌ国際映画祭監督賞受賞作品。 真面目な刑事と美しい容疑者は一つ目の殺人で出会い、別れ、そして二つ目の殺人で再会する 観終わった後に、ポスターのビジュアルが全てだったか!と感心し、余韻に浸ってポスターを見返したら、あれ…

あなた 目を覚まして

『ケイコ 目を澄ませて』生まれつきの聴覚障害者であるケイコは、下町にある小さなボクシングジムで日々トレーニングに励んでいる。 ボクシングに邁進できない心の澱を感じていたとき、ボクシングジム閉鎖の噂が流れてきて─── 先日、発表された2022年度のキ…

すずめは羽ばたいた

『すずめの戸締まり』九州に住む高校生・鈴芽(すずめ)が出会ったのは大学生草太。 草太は日本各地に点在する災厄の扉を閉めるために旅を続ける「閉じ師」でもあった。 災厄を封じ込める扉の要石がネコとなり逃げ出し、追いかける草太とすずめの日本各地を…

あの頃も青春は密だった

『THE FIRST SLAM DUNK』1990年から1996年から『週刊少年ジャンプ』に連載された超人気漫画。 テレビアニメ化もされたが、今回の劇場版は声優を一新し内容も連動していない。 当時、『スラムダンク』は友達の弟がハマってたな、っていうくらいの門外漢。 で…

死んでもいいんだったら、100倍は生きていい

『PLAN75』高齢化が待ったなしの日本。 75歳以上に死ぬ権利を与える「PLAN75」が施行された。当事者、第三者、制度側、外国人労働者はどう思い、行動するのか。 見終わっての第一声は「高齢者の自殺を幇助するってどんな国やねん!」 小学校で習った基本的人…

いよ、待ってました海賊王!

『ONE PIECE FILM RED』 2022年8月6日に公開され、2023年1月10日時点で興行収入190億円を突破したテレビアニメ『ワンピース』劇場版15作目。 『ワンピース』は、コミックス1巻で挫折。 国内で極々フツ───に生活をする中で「海賊王」「ゴム人間」「麦わらの一…

いつか孤城が開かれますように

『かがみの孤城』学校に行けないこころは、かがみの向こうの城に招集される。 そこには同じような境遇の中学生が6人集められ、城のオオカミからどこかにある鍵探しを持ちかけられる。 鍵を1年以内に探すことが出来れば、願いを叶えるというが─── 原作は2018…

スターズ⭐︎イン・パラダイスやぁ

『チケット・トゥ・パラダイス』いがみ合う中年の元夫婦が、一人娘の衝動的な結婚を止めるべく手を取り合って奮闘するコメディ。 2023年の一発目は、何も考えずワハハと笑えるハッピーな映画を観たくて、狙いを定めて『チケット・トゥ・パラダイス』をチョイ…

情熱!熱風!ラプソディっしょ!

『RRR』1920年代の大英帝国の圧政下にあったインド。 民衆の中から立ち上がった二人の英雄が繰り広げる壮大な(すぎる)ロマン活劇。 快晴のクリスマスイブの良き日に、体調も万全。いざ行かん『RRR』! ラージャマウリ監督の前作『バーフバリ』で、応援上映…

サクラに涙はよく似合う

『ある男』平野啓一郎原作。亡くなった夫は、戸籍の人物とは別人だった。果たして、男は一体何者だったのか。 映画冒頭。安藤サクラの初登場シーンから。 田舎の小さい文房具屋で、お客もおらずやることもないので商品棚を整理している。 演技をしているのが…

ザリガニが鳴くところってどこですか?

『サリガニの鳴くところ』1969年のノースカロライナの湿地帯で起きた殺人事件。 沼地の奥の誰も行かないところに生まれ育った孤独で美しいカイアが容疑者となった。 6歳でたった一人での生活を余儀なくされたカイアは、一度小学校に行ってみるも身なりや無知…

シン・サラリーマン

『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』何度も繰り返す10月23日週。 小さい職場を舞台に、気づいた者からその週のクリアの仕方がどんどんバージョンアップしていく。 ただし、部長がタイムループを認めないことには、永遠に抜けられ…

万引きしなくったって家族になれる

『1640日の家族』1640日は里子を引き取って、結果的に引き離されるまでの期間。 4年半愛を注いだ里子と家族の物語。フランス映画。 フランス人は生命体として強い。 子ども部屋を二つに分割する必要があるとなれば、自分で天井に梁を渡して壁を買ってきて打…

女王ですが、なにか

『エリザベス 女王陛下の微笑み』ー プラチナ・ジュビリー、そして間をおかずして突然の逝去と今年の顔となったエリザベス女王のドキュメンタリー。 この映画の前に、Netflixの『ザ・クラウン』のシーズン4までを観終わっていたのだけれど、女王の20代と中年…

みんなみんな生きているんだ、友達なんだ

『LAMB/ラム』はラム肉のラムであり、メリーさんの羊の羊のことです。 こんな明るいうちから寝ちゃうの?と戸惑ったのはアイスランドの白夜のせい。 ゴツゴツした岩肌が覆う荘厳な山と、色の薄い空とその下に広がる色の薄い草しかない荒涼とした自然。 毎日…

夢の超特急。たまに鈍行

『ブレットトレイン』。伊坂幸太郎の原作をブラッド・ピット、真田広之ら豪華キャストによってハリウッド映画化。 外国から見る日本の描き方って、色彩が強調されたネオンの街並みに意思疎通ができない東洋人の国というのがオーソドックスだと思うのだけれど…

化粧下手?薄眉女に御用心

『ゴッドファーザー』が50周年と銘打って、4Kで3部作上映されていたので、3連休は朝から血生臭い3時間のモーニングルーティン。 3日目に劇場を出るときは、自然と周囲を警戒しながら小走りで階段を降りたわよ。 馬の生首ベッドインとか、じいちゃん臨終の場…

時をかけるトム・クルーズ

永遠の青春スター、トム・クルーズ。『トップガンマーヴェリック』で映画の歴代興行ランキングを破竹の勢いで駆け上がり中だ。 コロナ脳の私は、あまりの盛況ぶりにしばらく様子見したが、そろそろよかろうと轟音上映にて鑑賞。 さすがトム。やっぱりトム。…